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喘息やアレルギーによる咳
風邪は治ったはずなのに咳が全然収まらないといった状態が数週間続いたら、それは喘息やアレルギーによる咳(咳喘息)かもしれません。
咳喘息は、咳が慢性的に続く気管支の病気で、一般的な喘息と同じく、気道(呼吸の際の空気の通り道)が狭くなり、アレルギー物質などをはじめとした様々な刺激に対して過敏に反応し、炎症や咳の発作が起こります。
原因として、室内外の温度差、他人の吸っているタバコの煙を吸い込んでしまう、飲酒やストレス、食事や運動などの生活習慣など実に多種多様です。
また、ほこりやダニなどのハウスダストがきっかけで発作を起こすとも言われており、患者数は年々増加しています。
咳喘息は、特にアレルギーをお持ちの方に比較的多く見られ、アレルギー物質による拒否反応によって、気道が炎症を起こし、咳が止まらなくなります。
風邪に併発して起こることが多く、風邪をひいたあとに数週間以上、咳が続くようであればもしかしたら咳喘息かもしれません。
咳喘息の具体的な症状
数週間から~1ヵ月以上、空咳(からぜき)が続きます。重度の場合は咳が一年以上も続くこともあります。但し、咳喘息は咳が長く続くのが特徴で一般的な喘息に見られる「ゼイゼイ」や「ヒューヒュー」といった喘鳴(ぜんめい)や呼吸困難を起こすことはありません。
但し、発熱や痰(たん)などが発症することは比較的にまれです。
主に就寝中、夜中から明け方にかけて激しい咳が出たり、外出先から帰宅した際、室内外の気温差や喫煙などで咳が出やすくなるのが特徴です。
また、喉にイガイガ感を伴うこともあり、長時間話をするなどで喉が渇いたり、声が枯れたりする場合もあります。
発作が激しいなど、重度の場合には胸痛、嘔吐を伴うこともあり、場合によっては失神してしまうこともあります。
咳喘息の判断基準
咳喘息の判断基準として、主に以下が挙げられます。
- 喘鳴を伴わない咳が8週間以上続く(聴診器で聞いても呼吸にゼイゼイ、ヒューヒューという音が入らない)
- 喘鳴、呼吸困難などを伴う喘息に今までにかかったことがない
- 8週間以内に上気道炎(かぜ)にかかっていない
- 気道が過敏になっている
- 気管支拡張薬が有効な場合
- 咳を引き起こすアレルギー物質などに反応して、咳が出る
- 胸部レントゲンで異常が見つからない
咳喘息の検査
咳喘息にかかると、痰(たん)の中に好酸球というアレルギー反応に関与する細胞が痰の中に分泌されます。その状態を検査することで判断されます。
さらに、血液検査でハウスダスト、カビ、ダニなどに対するアレルギー反応を確認します。
咳喘息の治療について
咳喘息の治療には、気管支拡張薬(気管支を拡張させて空気の通り道を広げる薬)や吸入・経口のステロイド薬を用います。
気管支拡張薬を使って、咳がある程度治まれば、咳喘息と診断し、吸入ステロイド薬を用いた治療を開始します。
吸入ステロイド薬は、1/1000ミリグラム単位の少量でも気道に直接作用して、優れた抗炎症作用を発揮します。
また、全身的な副作用の心配も少なく、長期にわたって用いることができます。
抗アレルギー薬を使用することもあります。
最近では、吸入ステロイド薬と気管支拡張薬をひとつの薬として配合した喘息治療薬もあり、こうした薬が処方される場合もあります。